2010年5月24日月曜日

水について

海から上がってきたとき飲む水の味がわかるでしょうか
あの、甘さと体に真水がしみこんでいくときの感動を感じたことがあると思います。

日本は水が本当に豊かな国で安全に保障されています。
世界的には基本的に水は買うもので、ほぼ無料で提供はされていません。
日本にもおいしい水が沢山ある。

中国の雲南省を旅行したとき、虎跳境というところにいきました。

約4000Mの山からほぼ垂直の谷が2000メートルの谷底まで続いているという渓谷です。
その渓谷沿いを車で走ったのですが、いたるところに頂上からの雪解け水が細い滝となって
いくつもいくつも落ちてきます、

その水の味は信じられないくらいおいしいのです。水について詳しくないのですが、おいしさの基準はその甘さと軽さにあると思います。

4000の山ですから一年中頂上は雪があります。しかし、赤道に近いため、頂上以外は森に囲まれています。きりっと冷えた水が、森を通り過ぎるときに樹木の生命力という甘さを含み最後の細い滝で、十分に空気を含み流れ落ちます。

湧き水などにはない、また違ったおいしさが体験できると思います。

自分も旅行が好きですから、日本を旅行してみたいのですがそれは、週末を消費に費やすだけではなく、発見や体験をもとめて旅行をしようかと思います。

その中で日本という特殊な地形にある国でおいしい水を探す旅行に出られたらと思います。

2010年5月18日火曜日

ビジョンクエスト

キューバの西部をヒッチハイクで旅をしたとき
一晩だけ野宿をしたことがある。

旅の中で一度だけ、どこまでも歩いてみたかった。
自分の持てる範囲の荷物と少量の水。
それで、人間が一度も踏み入れないようなところへ入ってみたかった。

アメリカン・ネイティブは、大人になるための儀式として、男は初めて射精を迎えた時、女は初潮を迎えた時、砂漠に丸3日間、一人で旅に出るのだそうだ。そしてこの儀式を、「ビジョン・クエスト」という意味の言葉で呼んでいる。本来の「ビジョンクエスト」では、3日間、「自分の場所」を探しながら砂漠をさまよい、直感的にその場所を見つけると、そこを基点に居座る。水以外は食せず、そこで感じたあらゆる感情を、そのまま嘘偽りなく、のちに自分のガイド(酋長やシャーマン、年長者)に伝えなければならない。すると、「おまえはどこから来て、どこに行くのか」を教えられ、最後に「名前」を授かる。ここに、その人生における役割が込められる。

このことを知ったのはつい最近だったが、自分は、ビジョンクエストを求めていたのだと思う。

西のはずれの村を出発する。
海岸線をずっと歩く。
10分ほど歩いたとき、一度振り返ってみる。
海岸線がまがっているので、すでに村は見えない。

そのときから、自分の一歩一歩に躍動感を感じた。

もし道に迷いったり、、強盗にあって歩けなくなったりしたらどこで人生が終わる。ここは日本ではない。すべての常識は通じない世界であり、その超現実に自分は今いる。けして、映像とか本とかのフィクションではない。すべてが自分に帰ってくる世界だ。ここで引き返せば、何事も無く食事にありつけるし旅行を続けられる。しかし、この先に何があるのかは、誰もしらない。そして、そこにはまだ誰も見たことも無いものがあるかもしれない。

頭では何も無いことはもちろんわかっている。目的もなく、なんだかわからないもののために命を懸けるなんてことはばかげたことであるとわかっている。しかし、前に進みたい。その時自分はその原動力を「本能」だと感じたのだ。

それは、普段意識はしない。ただ前に進むという欲求だった。食欲、性欲、睡眠欲。それは生命を維持するために必要な機能だ。どの生物にも備わっている。しかしこのただ前に進むという欲は何なんだろうか?それは好奇心ではなく、ただ前に進むという欲求だ。

他の動物も好奇心というものはある。しかし、得体のしれない何かを見つけるためには行動はしない。しかし、ただただ前に進むという欲求をもつ生物は人間だけじゃないだろうか。

理性と欲求が入り混じる一歩というのは、非常に起伏が激しい。一歩踏み出すごとに呼吸が乱れ、どきどきする。しかし、そのどきどきがとても楽しく感じたのだ。それは自分たちが遠い昔に退化させてしまった原始的な本能に体自体が精一杯喜んでいるような気がしたのだ。


つづく